厳寒の候はいつからいつまで?意味・読み方・使い方を徹底解説【例文付き】

「厳寒の候(げんかんのこう)」は、冬の挨拶としてよく使われる言葉です。

しかし「いつからいつまで使えるの?」「どんな意味なの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

この言葉は、暦の上で一年でもっとも寒さが厳しい時期を表し、手紙やビジネスメールでよく用いられます。

この記事では、「厳寒の候」の正しい読み方や意味、そして小寒から大寒を経て立春前までの適切な使用時期を解説します。

さらに、ビジネス・目上の方・親しい人などシーン別の挨拶文の例や、似た表現との違い、使うときの注意点も整理しました。

この記事を読めば、季節に合った挨拶文を自信を持って書けるようになります。

冬の手紙やメールを送る際の参考にしてみてください。

厳寒の候とは?読み方と意味をやさしく解説

ここでは、「厳寒の候」という言葉の基本的な意味や読み方について解説します。

手紙やメールでよく見かける表現ですが、正しい理解をしておくことで安心して使えるようになります。

「厳寒の候」の正しい読み方

「厳寒の候」は「げんかんのこう」と読みます。

「げっかん」や「げんかんこう」と読み間違えられることもあるので注意しましょう。

正しくは「げんかんのこう」と覚えることが大切です。

表現 読み方
厳寒の候 げんかんのこう
厳冬の候 げんとうのこう

「厳寒」が表す季節感

「厳寒」とは、文字通り寒さがとても厳しい時期を表す言葉です。

冬の中でも特に冷え込みが強いころを指し、空気の澄んだ張りつめたような季節感を伝えます。

手紙に取り入れることで、冬らしい雰囲気を上品に演出することができます。

「候」という言葉の役割

「候(こう)」は、もともと「時候(じこう)」や「気候(きこう)」を表す言葉です。

したがって「厳寒の候」とは、「寒さが厳しい季節になりましたね」という意味になります。

この言葉は季節の挨拶表現としての役割が大きく、実際の気温よりも暦を基準にして使うのが特徴です。

厳寒の候はいつからいつまで?使える時期の目安

「厳寒の候」を使うときに一番迷うのが、いつからいつまで使ってよいのかという点です。

ここでは、二十四節気に基づく使用期間や、ほかの挨拶表現との切り替え方について整理します。

二十四節気に基づく期間(小寒~大寒)

「厳寒の候」を使えるのは、暦の上で一年でもっとも寒い時期とされる「小寒」から「大寒」にかけてです。

小寒は1月5日ごろ、大寒は1月20日ごろから始まり、立春の前日(2月3日ごろ)までが対象になります。

つまり、1月上旬から2月初めまでが「厳寒の候」の適切な使用期間です。

節気 日付の目安 特徴
小寒 1月5日ごろ 寒の入り。寒さが本格的に始まる
大寒 1月20日ごろ 一年で最も寒い時期
立春 2月4日ごろ 暦の上で春が始まる

新春の挨拶との切り替えポイント

1月1日から7日ごろまでは、まだ「新春の候」「初春の候」といった挨拶が一般的です。

そのため、年始の数日間は「厳寒の候」ではなく新年らしい挨拶を選ぶのが自然です。

松の内が明ける1月7日ごろから「厳寒の候」に切り替えると、相手に違和感を与えません。

2月以降に避けるべき理由

2月4日ごろには立春を迎えます。

立春を過ぎると、暦の上では春が始まるため、「厳寒の候」を使うのは適切ではなくなります。

2月に入ったら「立春の候」「早春の候」など春を意識した挨拶に切り替えるのがマナーです。

厳寒の候を使った挨拶文の例

ここでは、「厳寒の候」を実際に文章に取り入れる方法を紹介します。

ビジネス、目上の方、親しい人への手紙など、場面ごとに使える例文を押さえておくと安心です。

ビジネスメール・手紙での例文

ビジネス文書では、冒頭のあいさつ文や結びの文に「厳寒の候」を取り入れるのが一般的です。

かしこまった場面でも使えるように、フォーマルな言い回しを覚えておきましょう。

場面 例文
書き出し 拝啓 厳寒の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
書き出し 拝啓 厳寒の候、皆様におかれましてはご健勝のことと拝察いたします。
結び 寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいますようお願い申し上げます。

目上の人への丁寧な挨拶文

上司やお世話になっている方への手紙では、より丁寧で柔らかい表現を心がけましょう。

相手の健康や活躍を願う言葉を添えると好印象です。

  • 拝啓 厳寒の候、〇〇様にはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
  • 拝啓 厳寒の候、ご一家皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
  • 拝啓 厳寒の候、日ごとに寒さが増す折から、益々のご健勝をお祈り申し上げます。

親しい人へのカジュアルな表現

友人や親しい間柄には、少し柔らかい言葉を選ぶと自然です。

形式ばった言葉よりも、気遣いを感じさせる一言を添えるのがポイントです。

  • 厳しい寒さが続いていますが、お元気にお過ごしでしょうか。
  • 厳寒の候、体を冷やさぬよう温かくしてお過ごしください。
  • 寒さが一段と厳しくなりましたね。どうぞお大事にお過ごしください。

厳寒の候と似た表現の使い分け

「厳寒の候」とよく似た挨拶表現はいくつかあります。

ここでは、それぞれの意味や使える時期を比較して、どう使い分ければよいのかを整理してみましょう。

「厳冬の候」との違い

「厳冬の候(げんとうのこう)」は、「厳寒の候」とほぼ同じ意味を持ちます。

ただし「厳冬」は、冬という季節そのものの厳しさを強調しており、より広い期間を含む表現です。

1月から2月にかけて幅広く使える便利な言葉です。

表現 読み方 使用時期の目安
厳寒の候 げんかんのこう 1月上旬~2月初旬
厳冬の候 げんとうのこう 1月~2月

「酷寒の候」との違い

「酷寒の候(こくかんのこう)」は、さらに厳しく刺すような寒さを表す言葉です。

特に1月中旬から下旬の冷え込みをイメージするのに適しています。

寒さを強調したいときに使うと、文章に力強さが加わります。

「大寒の候」「寒中の候」との関係

「大寒の候」は、二十四節気の「大寒」(1月20日ごろ~2月3日ごろ)に限定して使う表現です。

「寒中の候」は、寒中見舞いなどで用いられることが多く、1月全般から2月初めまで使えます。

これらの表現をうまく使い分けることで、手紙に一層の季節感を添えることができます。

厳寒の候を使うときの注意点とマナー

「厳寒の候」は便利な時候の挨拶ですが、誤ったタイミングや使い方をすると不自然に感じられることがあります。

ここでは、使用上の注意点やマナーを整理します。

誤ったタイミングでの使用例

「厳寒の候」は1月上旬から2月初めまでが適切です。

そのため、12月や2月下旬以降に使うと、季節感がずれてしまいます。

暦に沿って使用することが大切です。

時期 おすすめの表現
1月1日~7日 新春の候・初春の候
1月7日~2月3日 厳寒の候・厳冬の候
2月4日以降 立春の候・早春の候

頭語と結語の正しい組み合わせ

ビジネス文書や改まった手紙では、頭語(拝啓、謹啓など)と結語(敬具、謹言など)を正しく組み合わせる必要があります。

例えば、「拝啓」で始めたら「敬具」で結ぶ、といった基本ルールがあります。

この組み合わせを誤ると、礼儀を欠いた印象になってしまいます。

相手やシーンに合わせた表現選び

「厳寒の候」は格式のある表現なので、親しい人とのやり取りでは少しかしこまりすぎてしまう場合があります。

その場合は「寒さが続きますが」など、日常的な表現に変えるのもよいでしょう。

送る相手との関係性に応じて言葉を選ぶことが大切です。

よくある質問(Q&A形式でまとめ)

「厳寒の候」を使うときに、多くの人が迷うポイントをQ&A形式で整理しました。

実際に使う場面を想定しながら確認してみましょう。

厳寒の候は地域によって違うの?

「厳寒の候」は暦に基づいた挨拶表現です。

そのため、地域ごとの寒暖差にかかわらず全国的に同じ期間で使えます。

実際の気温よりも「暦」を基準にするのがポイントです。

メールと手紙で使い方は変わる?

基本的な使い方は同じですが、メールでは少し簡潔にまとめるのが一般的です。

手紙の場合は、書き出しと結びにしっかりと挨拶文を入れると格式が出ます。

ビジネスメールなら「拝啓 厳寒の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」程度で十分です。

2月に使ったら失礼になる?

2月4日ごろには立春を迎えるため、それ以降に「厳寒の候」を使うのは不適切とされます。

ただし、立春直前の2月初めであれば問題なく使えます。

2月に入ったら日付を意識して、早めに春の挨拶へ切り替えるのが安心です。

まとめ|厳寒の候を正しく使って相手に心を伝えよう

「厳寒の候」は、冬の中でも特に寒さが厳しい時期に使う、格式ある時候の挨拶です。

小寒から大寒を経て立春を迎えるまでの、1月上旬から2月初めまでが使用の目安となります。

新年の初めは「新春の候」などを使い、1月7日ごろから「厳寒の候」に切り替えると自然です。

期間 適切な表現
1月1日~7日 新春の候・初春の候
1月7日~2月3日 厳寒の候・厳冬の候・寒中の候
2月4日以降 立春の候・早春の候

ビジネス文書や手紙では、冒頭や結びに「厳寒の候」を添えることで、時期に合った丁寧な印象を与えられます。

相手に合わせて表現を選び、礼儀を意識した使い方をすることが大切です。

ぜひこの記事を参考に、「厳寒の候」を上手に使いこなしてみてください。

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