ビジネスで使える残暑見舞い【2025年版・文例付き】

残暑が続く季節、取引先や顧客に感謝や気遣いを伝える「残暑見舞い」は、ビジネスの信頼関係を強化する大切な習慣です。

特に2025年は、メールやSNSでのやり取りが主流になりつつある一方、手書きのはがきや封書の価値も再認識されています。

本記事では、残暑見舞いの意味や役割、送付の最適時期、最新マナー、そしてすぐ使える文例集を網羅的にご紹介します。

暑中見舞いとの違いや、送る際の敬語・会社名の表記ルール、メール文例の作り方など、実務ですぐ役立つポイントも解説。

さらに、相手の心に残る一文を添える工夫や、暑中見舞いを送り忘れた場合の挽回方法も掲載しています。

このガイドを参考に、2025年の残暑見舞いをより効果的に活用し、ビジネスのつながりを一層深めていきましょう。

ビジネスで使う残暑見舞いとは？意味と役割

残暑見舞いは、立秋（毎年8月7日頃）を過ぎた後に送る夏の挨拶状で、ビジネスの場では取引先や顧客への感謝や気遣いを表す大切な習慣です。

ここでは、まず残暑見舞いの意味と、ビジネスにおける役割について整理していきます。

暑中見舞いとの違い

暑中見舞いは7月中旬から立秋までに送る挨拶状で、夏真っ盛りの時期に相手の健康を気遣う目的があります。

一方、残暑見舞いは立秋を過ぎても暑さが続く時期に送るものです。

送る時期を間違えるとマナー違反と見なされる可能性があるため、日付の把握が重要です。

種類	送る期間	主な目的
暑中見舞い	7月中旬〜立秋前日	暑さの中での健康を気遣う
残暑見舞い	立秋〜8月末	暑さが続く中での健康を気遣う

残暑見舞いが果たすビジネス上の効果

ビジネスにおける残暑見舞いは、単なる季節の挨拶にとどまりません。

特に取引先や顧客に送る場合、日頃の感謝の気持ちを改めて伝える機会となります。

さらに、紙のハガキや丁寧なメールで送ることで、相手に「特別感」を与え、信頼関係を強化できるメリットがあります。

たとえば、プロジェクトの節目や新たな提案の前に送ると、話題作りやコミュニケーションのきっかけにもなります。

残暑見舞いを送る最適な時期と期限

残暑見舞いは、送る時期を間違えると本来の意味やマナーが損なわれてしまいます。

ここでは、送るべきベストなタイミングと、期限を過ぎた場合の対処法について解説します。

立秋から送るのが基本

残暑見舞いは立秋（8月7日頃）を過ぎてから送るのが原則です。

これは暦の上で秋に入った後も暑さが続くことを踏まえ、相手の健康を気遣うためです。

送付の目安は立秋から8月末までと覚えておくと安心です。

時期	適切な挨拶の種類
7月中旬〜立秋前日	暑中見舞い
立秋〜8月末	残暑見舞い
9月以降	秋の挨拶・時候の挨拶

9月以降はどう表現を変えるべきか

9月に入ると、残暑見舞いという表現は季節外れになります。

この場合は「初秋の候」「秋冷の候」など、秋を感じさせる時候の挨拶を使いましょう。

9月でも暑さが残る場合、文章内で残暑に触れるのは構いませんが、タイトルや冒頭では避けるべきです。

たとえば「初秋の候、いかがお過ごしでしょうか。まだ暑さが残りますが…」といった形にすると自然です。

ビジネスでの残暑見舞いマナーと注意点

ビジネスで残暑見舞いを送る場合、形式や言葉遣いに細やかな配慮が必要です。

ここでは、誤解や失礼を避けるためのマナーと注意点を整理します。

会社名・役職・敬語の正しい使い方

ビジネス文書では、相手の会社名・役職名・氏名を正確に書くことが基本です。

たとえば役職の後に「様」を付ける場合は、「代表取締役社長　山田太郎様」のようにします。

敬語は二重敬語を避け、読みやすく簡潔にまとめるのが望ましいです。

NG例	改善例
○○様におかれましてはいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか	○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか
ご健勝でいらっしゃいますことと存じます	ご健勝のことと存じます

紙・メール・SNSでの送付時の違い

送付方法によって文章の構成や雰囲気は変わります。

紙のハガキや封書は、正式感や特別感があり、取引先や大切な顧客に向いています。

一方、メールはスピーディで、短くても心のこもった文章にすることがポイントです。

SNS（企業公式アカウント等）での発信は、不特定多数への挨拶として活用できますが、個別感は薄くなります。

機密性の高い内容や取引条件などは残暑見舞いに含めないよう注意しましょう。

残暑見舞いの基本構成と文章パーツ解説

残暑見舞いは、いくつかのパーツを組み合わせて構成します。

ここでは、冒頭から結びまでの流れと、それぞれのパーツで使える表現を解説します。

冒頭の挨拶文

最初の一文は「残暑お見舞い申し上げます」や「残暑お伺い申し上げます」が基本です。

ビジネスでは「申し上げます」が無難で丁寧、「お伺い申し上げます」はさらに敬意を強めた表現です。

句読点や文体は社内文書と同じく統一し、整った印象を与えましょう。

相手の健康を気遣う言葉

冒頭に続けて、季節や天候に触れながら相手を気遣います。

例：「立秋とは名ばかりの暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」

この一文で、季節感と心配りを同時に表現できます。

感謝・近況報告の入れ方

ビジネスでは日頃の感謝を必ず盛り込みます。

例：「平素は格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます」

また、短く近況を伝えることで、文章に温かみが増します。

近況報告例	使用シーン
弊社におきましても、暑さに負けず新たなプロジェクトに邁進しております。	進行中の案件や会社の活発さを伝えたい時
新体制での業務も軌道に乗り、皆様のお力添えに感謝申し上げます。	組織変更や新年度の節目

結びの言葉と日付・署名の書き方

最後は相手の健康や繁栄を祈る言葉で締めます。

例：「残暑が続きますが、どうかご自愛のほどお願い申し上げます」

日付は「令和◯年晩夏」や「令和◯年葉月」とし、署名には会社名・部署名・氏名を明記します。

メールの場合は連絡先や住所も忘れずに添えましょう。

2025年版・使いやすいビジネス文例集

ここでは、2025年の最新マナーを踏まえたビジネス用の残暑見舞い文例をご紹介します。

状況や用途に応じて使い分けることで、より効果的に気持ちを伝えることができます。

定番のビジネス残暑見舞い文例

残暑お見舞い申し上げます。

立秋とは名ばかりの暑さが続いておりますが、◯◯様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

平素は格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。

弊社も暑さに負けず、新たなプロジェクトに邁進しております。

厳しい残暑が続きますので、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。

令和7年晩夏

取引先・顧客への感謝を込めた文例

残暑お伺い申し上げます。

平素はひとかたならぬご高配を賜り、誠にありがとうございます。

猛暑の中、皆様にはますますご健勝のことと存じます。

弊社におきましては、日々の業務に励んでおりますが、今後とも変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます。

季節柄、ご自愛のほど心よりお祈りいたします。

令和7年葉月

夏季休業や営業案内を含めた文例

残暑お見舞い申し上げます。

日頃より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、弊社の夏季休業期間は◯月◯日から◯月◯日までとなっております。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承のほどお願い申し上げます。

残暑厳しい折、皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

令和7年晩夏

メール用の簡潔な文例

件名	本文例
残暑お見舞い申し上げます	残暑お見舞い申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 厳しい残暑が続いておりますが、貴社の皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈りいたします。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 株式会社◯◯◯ 営業部 山田一郎 電話番号・住所・メールアドレス

残暑見舞いをさらに効果的にする工夫

残暑見舞いは、単に形式通りに送るだけでは相手の印象に残りにくいものです。

ここでは、より心に響き、関係強化につながる工夫をご紹介します。

相手の心に残る一文を添える方法

形式的な文章に、相手に合わせた一文を加えるだけで、印象は大きく変わります。

たとえば、取引先で最近あった出来事や成果を祝うメッセージを入れると効果的です。

例：「先日は新店舗のご開店、誠におめでとうございます。」

また、共通の話題（業界の動きや季節のイベント）に触れるのも親近感を高めます。

場面	添える一文例
新製品発表	新商品の発売が好評とのこと、心よりお祝い申し上げます。
周年記念	御社創立◯周年を迎えられたとのこと、誠におめでとうございます。
プロジェクト成功	先般のプロジェクト成功に際し、心より敬意を表します。

暑中見舞いを送り忘れた場合の挽回文例

暑中見舞いの時期を逃してしまった場合でも、残暑見舞いでフォローできます。

このときは「本来であれば暑中見舞いを申し上げるべきところ…」とひと言添えるのが丁寧です。

例文：

残暑お見舞い申し上げます。

本来であれば暑中お見舞いを申し上げるべきところ、時期を逸してしまい申し訳ございません。

立秋を過ぎてもなお厳しい暑さが続いておりますが、貴社の皆様のご健康とご発展をお祈り申し上げます。

令和7年晩夏

まとめ！残暑見舞いで信頼関係を深めるコツ

残暑見舞いは、ただの季節の挨拶ではなく、ビジネスにおいて信頼関係を深める有効なツールです。

送る時期、文章の構成、マナーを守ることで、相手に丁寧な印象を与えられます。

さらに、相手に合わせた一文を添えることで、形式的なやり取りから温かみのある交流へと変化します。

ポイント	概要
送付時期	立秋から8月末までに送る
文章構成	冒頭挨拶 → 季節の言葉 → 感謝・近況 → 結び → 日付・署名
マナー	正しい敬語・会社名・役職表記を守る
工夫	相手の状況に合わせた一文を添える

残暑見舞いは短くても誠意を込めて書くことが大切です。

2025年の最新マナーを意識しながら、感謝と気遣いを届けることで、今後のビジネス関係をより良いものにしていきましょう。